自伝(その2)~プログラムを打ち込んでみる~
念願のマイコンを手に入れ,ただでゲームができる事に狂喜乱舞する毎日でしたが,ゲームのプログラムリストは雑誌などに掲載されたものをそのまま打ち込んで遊ぶということを繰り返していました。
現在のパソコンはグラフィカルなオペレーティングシステムが搭載され,電源を入れて立ち上げると,程なくマウスカーソルでメニューやアイコンをクリックできる状態になり,必要なアプリケーションを起動して作業できますよね。(もちろん事前にインストールされている必要はありますけど)
私が当時使っていた PC-6001mk2 は,起動すると ROM BASIC と言われるインタプリタ言語が立ち上がり,BASIC と言うプログラム言語が入力できる状態になります。
マイコンに何かやらせようとすると,まず自分でプログラムをキーボードから入力するか,カセットテープなど外部からプログラムをロードしないと何もできないのです。
他機種ではこの BASIC さえも ROM に搭載されていないものもあって,BASIC 自体をカセットテープからロードしないとプログラムを入力できないものもありました。(SHARP の MZ シリーズなど,クリーンコンピュータと言われていました)
ゲームのネタとなる当時のマイコン雑誌は,そのほとんどにプログラムリストが掲載されていましたが,中でも「マイコン BASIC マガジン」は投稿プログラムリストの掲載に特化していて,いろいろなマイコン機種ごとにプログラムリストが掲載されていました。
その雑誌名からわかるように,掲載プログラムリストはBASIC と呼ばれるプログラム言語がほとんどで,マイコンの電源オン直後からこのプログラムリストを黙々と入力していくわけです。
キーボードで雑誌に印刷されたリスト通りに打ち込んでくのですが,当然そのうち打ち込みミスをします。
SN ERROR という文法エラーなら命令の綴りが間違っているとかなので,雑誌のリストと見比べると大体エラーが発見できます。
厄介なのが FC ERROR というエラーで,これは数値が許容範囲外になったりすると発生するのですが,変数の現在の値に問題があるので,雑誌上で発生した箇所のリストを見比べても原因がぱっとわからないのです。
当時,BASIC 言語の仕様まで理解できていなかった私は,このエラーが発生するとほぼ詰んでいました。
無事に打ち込んだプログラムが動作するかどうかは,ほとんど運任せでした…。
ところが,打ち込んでは発生するエラーを修正する事を繰り返していくうちに,だんだんプログラムというものがなんとなく見えてくるようになります。
こうして,もしかしたら自分でもプログラムが書けるんじゃないか?…と思うようになるのですが…。