自伝(その1)~コンピュータとの出会い~
今の時代,誰でもコンピュータと言われるものに触れる機会が当たり前になってきました。
パソコンはもちろん,スマートフォンなどはかなりの普及率で,もはや生活には欠かせない存在ですよね。
スマートフォンを持っている小学生も最近増えてきました。
そんなコンピュータですが,私が興味を持ち始めたのは,小学生の頃です。
当時は国産のパソコンが発売され始めた頃ですが,そのパソコンも一般的にはそれほど知られた存在ではありませんでしたし,パソコンというよりも「マイコン」というのが普通でした。
ただ,いきなりパソコンに興味を持ったわけではなく,ゲームセンターに設置してあるテレビゲームがコンピュータに興味を持つきっかけだったのです。
当時のゲームセンターのイメージは今と比較するととても良いとは言えず,小学生が行くには結構勇気が必要だし,そもそも学校で出入りが禁止されていました。
それでもゲームやりたさに毎日通ったものです。
デパートの屋上とかショッピングセンターのゲームコーナーにも設置されていましたが,こちらはまだ安心して遊べる方で,ほとんどの個人経営ゲームセンターは狭くて暗くて怖いお兄さんがタムロしていた場所だったという記憶があります…。
そのゲームセンターのゲームをプレイするには,その都度お金が必要です(当たり前ですよね)。
小学生の限られたお小遣いではかなり厳しく,実際,毎月のお小遣いがテレビゲームに吸い込まれ,すぐになくなってしまいました。
そんな時に,本屋で「マイコン」の雑誌を目にします。
なにやら雑誌に掲載されているプログラムリストを打ち込むとマイコンでテレビゲームが遊べるらしいのです!
これで毎回お金を投入しなくても好きなだけゲームをプレイすることができる!と思い,このマイコンを購入する計画を立てることにしました。この時,小学校5年生です。
さて,その小学生が当時セットで20万円以上するマイコンをどうやったら買うことができるのか?
考えてみました。
当然そんな高価な遊び道具を親に買ってもらえるわけもなく,自分が入手できるお金を計算してみます。
毎月のお小遣い,お年玉などを見積もってみたら,3年後に購入できるということがわかりました。
あまりの欲しさに毎月のお小遣いを3年間も手を付けないつもりでいたというのも小学生らしいと言えばらしいのですが…。
結局,マイコンを入手するのは約3年後。
コツコツお金を貯め…られるはずありません。
なんとか親を説得し,猛勉強の末,数学のテストで学年一番を取り,念願のマイコンを買ってもらったのでした。
それまでは,電気屋さんに展示してあるマイコンに雑誌のリストを数時間かけて打ち込んでいたりしましたが,その電気屋さんは,打ち込んだリストをセーブできる環境ではなかったので,同じゲームを遊ぶために毎日のように同じリストを打ち込んでいました。
アホですね…。
遊ぶよりもリストを打ち込んでいる時間が圧倒的に長く,今思えばひどい営業妨害だったと思います。
それで,買ってもらったマイコンはと言うと,NEC の PC-6001mk2。
これが私とコンピュータとの出会いです。
専用のカラーモニターとデータレコーダー付きで17万円くらいだったと思います。
やっとのことで,ナイコン族から脱し,楽しいマイコンライフが始まるのでした…。